11.12.09

City - Italian & Japanese


City, Alessandro Baricco
Rizzoli & 白水社
日本語版 草皆伸子 訳
文学/小説 四六判 上製 446頁
ニューヨークで活動していたころ、イタリアのRizzoli社と仕事をすることが多かった。そのRizzoliがバリッコの『シティ』を刊行することになり、装丁を担当させていただいた。原書は、青を2色選び、白い紙に濃い青を敷いて、市街図部分を白ヌキにし、そこへ薄い青の地図を印刷したら初校でものすごく版ズレしてしまった。解決方法として今度は薄い青を敷いてから、ネガポジ反転させた地図を濃い青でノセた(クリックで拡大)。本のサイズはバリッコ本人が決めたものを特別に作ってもらい、通常は紙張りの表紙は布張りにした。RizzoliのRのロゴは、その頃にデザインしたもの。
そして帰国直後、偶然にも同じタイトルの日本語訳の装丁を白水社さんから依頼された。日本語版では、黄色い紙に市街図がうっすらと見えてほしかったので、ちょうどよい黄色のチップを選ぶのに苦労した。
同じタイトルの装丁に、2カ国でかかわるのは珍しい経験ではあったが、自分の中ではイメージがすでに出来上がってしまっていたので、客観的にアイデアを考えるのがとても難しかった。